SC approach
ロボットには,特異点と呼ばれる従来の方法では制御できない姿勢が存在しま す.特異点や特異点の近くでは制御装置が暴走したり,過大な関節角速度が発 生するため大変危険です.そのため,これまでは特異点の近くに近づかないよ う制御が行われてきました.しかし,人間は特異点を上手に利用しています. 特異点では大きな力を出したり早い動きを実現できるのです.そこで,我々は 特異点適合法(Singularity Consistent Approach, SC Approach) と呼ぶ手法 を提案してきました.この方法を用いると特異点を安全に通過するだけではな く,特異点や特異点の近傍においても手先速度を忠実に実現することができま す.これまで,非冗長マニピュレータから冗長マニピュレータまで様々なマニ ピュレータに本手法を適用してきました.この方法を用いて人間のように効率 的で器用な動作を実現することが本研究の目的です.ビデオでは,ふたが開い たペットボトルがマニピュレータの手先に置いてあります.腕を伸ばした状態 が特異点ですが,姿勢の制御を行いながら安定に特異点を通過していることが わかります.
Fig. 1 PA-10
参考文献